HPはWindows 8のタブレットPCをx86用のみ販売する。
HPの広報担当者はHPのWindows 8 RT用タブレットPC Slateはx86が優先で、ARMプロセッサベースのWindows RT用タブレットPCの発売は来年に延期される可能性があると明らかにした。
HPは新しいSlateを一般消費者より企業向けに発売することを決めたようだ。
一般利用者に多く使われるように見えるWindows 8 RTを遅らせることは残念だが、一方ではいくらWindowsといってもネットサーフィン、ビデオ、ゲーム、写真ビューアの役割が主な一般消費者向けのタブレットPC市場で、iPad(アイパッド)の壁を感じたHPとしては企業市場がよりアクセスしやすいと判断したかもしれない。
企業でもタブレットPCの要求は強いが、セキュリティとアプリの開発、各々のオペレーティングシステムに対するBYOD政策などを解決しながらWindows 8プラットフォームをiOSやAndroidが追いつくには容易ではない。
特にHPの製品と管理ソリューションが入っている企業としてはセキュリティやVproなどのシステム制御にも有利だ。
管理者の立場では新しいタブレットPCではなく、新しいノートパソコンが導入されることとあまり違いはないようだ。
PC自体をもっと売るためよりサーバーをより多く売るためにPC事業部に力を乗せるHPとしてはx86タブレットPCに集中したほうがよい。
HPはこれまでタブレットPCに対する様々な試みをしてきた。
マイクロソフトがWindows XPを利用した第1世代タブレットPCを構想した時からタブレットPCを作ってきた。
画面が回すタブレットPCやキーボードが分離されるタブレットPCなどはHPが一度作ってみたデザインのPCだ。
その後、iPad(アイパッド)との競争のためにWindows 7タブレットPC Slateシリーズを発売したが、オペレーティングシステムとプロセッサ、価格などの問題で良くない結果を得た。
HPはPalmから買収したWeb OSをベースにタッチパッドタブレットPCを発表した。
PDAを作ってきたPalmのオペレーティングシステムなので初期にはiPad(アイパッド)に最も直接的に競争することができるタブレットPCに選ばれたが、市場で気軽にアクセスするには価格が高い方だった。
その後、HPはWeb OSのタブレットPC市場を維持するかどうか悩んでSlateの価格を99ドルまで下げて市場から品切れになった。
性能やオペレーティング·システムについても再評価を受けたりしたHPにはWeb OSはすでに鶏肋のような存在になってしまった後だ。
HPとしてはこれまでタブレットPC市場で成果を出せなかったが、見逃すことはできない市場だ。
そのために最も自信のあるWindowsオペレーティングシステムが注目を集めている状況で、タブレットPC市場に再挑戦する期待ほど心配が多いのは同然のことだ。
最初に消費者の関心が集められるWindows RTより、x86で企業市場から進出すると言うことがHPとしてはiPad(アイパッド)と直接競争するより、よくできるところから慎重にアプローチするともいえる。
ARMを使ったタブレットPCは市場が受け入れてくれるか否かの判断が終わった来年に発売する。
iPad(アイパッド)だけでなく、マイクロソフトのサーフェスとも競争しなければならないHPとしては最善の選択だともいえる。